東京ウェディング&ブライダル専門学校
原さん
■プロフィール
フリーランスの世界から教える現場へ飛び込む
思い返せば、独立した際に元担任の先生と連絡を取っていたのが私の転機だったのでしょう。ヘアメイクの講師を募集しているという話を聞き、先生に「うちでやってみない?」と言っていただいて「ぜひ!」とお返事しました。こんなチャンスはめったにないし、「東京ウェディング&ブライダル専門学校」の先生方が楽しそうに働いていたなと思い出して、講師になることを決意したのです。
教えていただいた先生と一緒に働くことは貴重な機会で、元生徒ということもあり、とても気にかけていただいています。生徒と接していると、自分の学生時代を思い出し「あのとき先生はこんな風に考えていたんだ」と先生側の気持ちもわかるようになりました。生徒とは年齢が近く、生徒たちも気軽に相談してくれます。学校とアルバイトの両立の難しさやインターンシップの大変さもよくわかるので、相談してくれるのはうれしいですね。
質問しやすい授業で苦手を絶対残さない
現在は1年生7クラス、2年生2クラスのヘアとメイクの授業を担当しています。どちらもテクニックを習得する授業なので言葉で伝えるのが難しく、手本を見せることに注力しています。正解がないものなので難しいですね。やりがいは生徒が「なるほど!」という表情を見せて、私の思っていることきちんと伝わった時ですね。検定に合格したという報告は、私も一緒になって家族のように喜びます(笑)。結果が出るまでは心配で心配で・・・だからよけいに生徒が合格するとうれしいです。
授業で大切にしているのは、質問しやすい雰囲気づくり。分からないことや苦手なことをそのままにしておくと悪いクセがついてしまいます。生徒には常に分からないと思ったらすぐ質問してねと言っています。授業の間は生徒の間を歩き回って、こちらから「大丈夫?」と声掛けすることも大事ですね。私も生徒だった頃、先生が質問しやすい環境にしてくれていたおかげで、毎回苦手を残さず授業を終えられていました。そして生徒が上手にできた時は、たくさん褒めるように心がけています。ただ褒めるのではなく、周りに聞こえるくらい大きな声で褒めること。皆にヘアメイクを好きになってほしいので、褒めて伸ばすようにしています。
教育の現場は自分も成長できるステージ
元々は私が先生になるなんて、考えてもいませんでした。でも実際にやってみると、教えることがとても楽しい。未経験でも楽しさを伝えたいという気持ちがあれば先生になれるんだと実感しました。ヘアメイクにやりがいを感じていたり、それを伝えたいと思っていたら、先生になることは難しいことではないと思います。
教育の現場はステップアップにつながる場所と感じていて、生徒から教えられることもありますし、「こういう視点もあるんだ」と感じることも多いです。先生同士で情報共有できることもメリット。休憩時間にドレスの先生に流行を教えていただくことなどがあります。週末の結婚式やフォトスタジオでのヘアメイクの仕事に生かせますし、「先週の新婦さんはこんなヘアメイクだったよ」などと生徒に“業界の今“を伝えられるのは、ヘアメイクの現場と講師の両方にたずさわっている強みですね。
充実した毎日の仕事を続けていきたい
今の環境は私にとって理想。だから教える仕事を続けて、ヘアメイクの楽しさを大勢の生徒に発信していきたいです。講師になると決めた時は自分の時間が少なくなると思ったのですが、とても充実しているので気になりません。今受け持っている2年生が来年3月に卒業するのですが、それを考えただけで今から胸がいっぱいになります。教員1年目で緊張しながら授業していた生徒であり、私にとって初めての卒業生になります。それまでの時間は一生懸命授業にあたり、旅立ちの日に皆を送り出すのが楽しみです。